ずぼら女子奮闘記

ずぼら女子がリアルでは言えないことを吐き出すブログ。

「ここに居ていいんだよ」

わたしがはじめて安心して居れる場所ができたのは、高校に入ってからだったのだと思う。それまでは、どのコミュニティに属していても、どこか不安な気持ちだったり、疑心暗鬼になることが絶えなかった。
 
幼稚園の頃は友人ができず、ロッカーの中でひとりぼっちで過ごしていた。同級生の名前はひとりも覚えていない。
小学生の頃は、転校を繰り返したため、少し慣れたと思ったら友人と引き離される経験が続いた。
中学生になると、複雑怪奇な人間関係がはじまり、女子特有の面倒なやり取りにびくびくしながら生活をしていた。
それぞれの時代に、楽しみもあったし、もちろん友人はいたけれど、そこは基本的に一対一の閉ざされた空間での関係がメインだった。
グループで群れることは苦手だったし、今でも得意ではない。むしろ、ストレスが大きい。大人数のコミュニティの中でも、基本的に一人で過ごすか、親しい友人と二人きりで過ごすかの2択である。
 
高校の部活で、はじめて自分が「ここに居ていいんだ」と心から安心できる居場所にたどり着いた。
他人からどう思われるのだろう、とか、相性の悪い人との関係性に怯えたり、とか、そういうことを気にせずに、羽を伸ばして、自分を解放して過ごすことができたのが部活動の時間だったと思う。
自分も、周りも大人になったこともあるだろう。入試を突破しているだけあり、似たような偏差値の同級生が多いことも居心地がいい理由だったのかもしれない。
40人が同じ環境に強制収容される「クラス」というコミュニティは相変わらずあまり得意ではなかったけれど、同期が10人程度の「部活動」はとても過ごしやすく、楽しい環境だった。
共通の目標に向かって同じ活動を毎日行っていたし、大会や遠征などで必然的に一緒に過ごす時間が圧倒的に長かった。親しくなるまでに、時間はほとんど必要なかった。
 
「高校時代で一番楽しかったことは?」と聞かれたら「部活動」と即答できる自信がある。
もちろん喧嘩もしたし、先輩後輩との関係性に悩んだこともあった。
それでも、昼間の授業で疲れたり、少し嫌なことがあって落ち込んでいたとしても、毎日活動していた小体育館に足を踏み入れた瞬間、肩にのしかかっていた重荷が一気に軽くなって、スキップで部活の準備をしていた。それくらい、部活動が好きだった。
色々な実力の選手がいたし、毎回レギュラーに入るために、必死に練習した。自分より上手い選手を目指して、ライバル校のライバルを倒すために、同じ部活動の仲間と協力して練習メニューを考えて、それを実行していける楽しさは、何事にも代えがたい経験だったと思う。中学の時の部活は、周囲の環境ややる気が地獄のような状態だったから、周りの仲間と同じモチベーションで部活動に取り組めること自体が幸せに感じられた。
 
卒業してそれなりの年数が経ったけど、毎年2~3回は集まって飲み会をしている。その機会が継続している事実が、とても嬉しく思う。
 
居場所について考える。どうしてあんなに居心地がよかったのだろう。今でも当時の小体育館の景色を思い出すと、胸が懐かしさでキュッとなる。
もう少し掘り下げて考えてみたい。