無理of無理な課題すぎる。というか、就職後の勤務先がまずガチャすぎて、私たちの場合は片道6時間オーバーの場所に引き離された結果、社会人になってもうずいぶんと年月が経過してしまった。変わらず仲良くやっているけれど、一緒になろうとなった場合、絶対にお互いのなにかを犠牲にしなければならない。なにも犠牲にしなくて済むような、運良くパートナーがわたしのいる土地配属になるような、そんな理想論はとっくの昔に捨てた。
いろいろな転機があって、わたし自身にも決断しなければならないことが迫っていたり、でも変わらずパートナーは優しいから「後悔しない選択を、自分で決定してね」と言ってくれている。
さよならの前夜はいつだって寂しい。
一度バイバイすると、決定的に離れてしまう距離に対するダメージは、一緒の時間が増えれば増えるだけ反動が大きくなっている気がする。
となりでいびきをかきながら気持ちよさそうに眠っているパートナーの横顔を見ながら考える。この生活を続けたい。だけど、パートナーの土地でキャリアを重ねられるのかと言われたら否だ。わたしのやりたい仕事がある場所までは、片道2時間近くかかるだろう。そんな生活に耐えられるのか。否、また身体を壊すリスクと隣り合わせだ。専業主婦になる道は、あまりにも自分の描いているものが違う。いつ転勤に振り回されるかも分からない。自分がパートナーを養えるまでの経済力を付けるにはまだ当分時間がかかるだろう。
父親が転勤族で、母親が専業主婦として家庭を守る、というのは全国転勤を余儀なくされる家族にとって当たり前の生活スタイルだったのだろう。でもそれは一昔前の話で、昔よりも貧しくなっているこの時代、共働き前提でお金や家族の計画を立てたい。片方だけに金銭的な負担がかかるのはリスクの高い生活スタイルだとわたしは思う。もちろん、これは個人的に考えていることであり、いろんな生活スタイルを形成する人がいるのは承知の上。だって個人個人で事情は違うから。
自分のキャリアも、パートナーとの生活も諦めたくない。同じ家で暮らしたいし、やりたい仕事をしたい。子育てだってしたい。どうしたものか。頼れる親戚も友人もいない土地で、果たして子育てなんてできるのだろうか。落とし所は自分で考えるしかない。