春なんて来なくていい。ずっと冬のままでいい。
そう思うことは、悪いことだろうか。
暖かくなってきた。気温や湿度、空気感、外から聞こえてくる音、日差しの感じ、咲いている花、すべてが春の到来を物語っている。
じっと耐えるような冬が終わり、今年も春がやってくる。卒業、入学、進級。同級生は社会人〇年目、という肩書を更新していく。自分だけずっと同じ場所に取り残されているような気持になる。
この1年で何か成長したか。確かに、できたことも沢山あるけれど、最近はできなかったことに直面せざるを得ない状況が続いてしまい辛い。社会適応能力、というものが病気の後から格段に落ちている。大事な電話をかけなければならないとき、数日前からそれで頭がいっぱいになり、折り返しますと言われた際にはもうずっとそわそわする。それ以外のことが一切手につかなくなる。こんなに頭の切り替え下手だったっけ?と思わず自分を疑う。頭のキレというか、シャープさというか、前は複数のマルチタスクを抱えていても難なくこなせていたのに、それができない。以前当たり前のようにできていたことができなくなっている。こういった事実をふとした瞬間に突き付けられるとしんどくなる。うつ、全然治ってないじゃんか。
焦る。周りの人たちは「ゆっくりでいい」「自分のペースで」と言ってくれるけど、とはいえ、焦る。
「こんなこともできなかったのか」「こんなに簡単なこともできないほど自分の能力が落ちていたのか」といった事実への直面は、丸ごと自分を否定されているかのような気持ちになってしまう。ここ2.3週間は自分へのストレス負荷を上げた生活をしているけど、やっぱりすぐに疲れてしまって、さらに自己嫌悪に陥る。
ホルモン周期的にもよくない時期だし、季節の変わり目だからメンタルぶれているんだろうなということも客観的には分かる。けれど、久しぶりに食欲がなくなるところまで落ちてしまって「また来たか」と半ば諦めの入った抑うつ状態である。
文章書けるだけ、まだマシなのかも。
冬のままでいい。冬はじっとしていても、許されるような気がする季節だから。