正しい知識と自分の気持ち
低用量ピルを飲もうと思う。とりあえず婦人科へ。
今まで頑なにピルには手を出していなかったのだが、生理痛やPMS自体の苦しみに加え、生理痛の予期不安に伴った無意識の行動制限や心理的障壁が恐ろしく大きいことに気が付いた。生理痛で吐いたり、どこか外で気を失ったり、動けなくなってしまうことを恐れて、生理が来るであろう予定日前後には予定を入れていないし、そこまで体調が悪くなくても「倒れるかもしれないから」という恐怖から、布団の中に引きこもってしまう。なんやかんやで1か月のなかで2日程度は時間を無駄にしていることに気がついたのだ。今は幸い、スケジュールをある程度統制できる生活ではあるが、この先ずっと生理やPMSに伴う症状に振り回されたくないし、毎月2日活動不能になることに対する「無駄」感をとても感じてしまった。
多分だけど、ピルだって万能じゃない。相性が悪くて副作用が出るかもしれないし、この先の人生でずっと飲み続けることにはならないだろう。それでも、今この年齢で、1か月に2日という時間を、無駄に失ってしまうことに対してものすごく空しく感じたのだ。
「生理は神様がくれた女性のための休憩の時間」という言葉をどこかで見た。たしかにそうかもしれない。でも、嘔吐したり、激痛で痛み苦しんだり、床に臥せていなければならない、そしてその日程さえ決められない、不可抗力で突然降ってくる、ということは、わたしにとって苦しみでしかない。
「生理が来るということは、子どもを産める状態だという体のサイン。女性として嬉しいことである」という言葉も見た。うん、言いたいこともわかるし、ちゃんと身体が健康であることの証拠であるのかもしれない。でも、今はその時ではない。子どもを産んだことないから、(出産するという)喜びは想像することしかできない。だけど、あんなにたくさんの苦しみを生理やPMSで味わうのであれば、私は男に産まれたかった。これは高校生の時から思っているし、それは今でも変わらない。生理痛のせいで行けなかったイベント、楽しめなかった旅行、大事な日と被って普段通りのパフォーマンスが発揮できなかった瞬間、駅のトイレでひとり救急車を呼ぶか意識がもうろうな頭で葛藤していたあの時間、仕事ができず迷惑をかけた人たち。周りの人たちが支えてくれた、やさしくしてくれた瞬間も沢山あった、あったけど、これ以上こういった葛藤を抱えるのは、もういいのではないか。
女性としての性や、身体や心のことを色々考える。生物的な違いはどうやっても男女間で発生するし、それは事実として受け入れるしかない。少しでも自分で「コントロールできる」「セルフケアできる」という統制感を感じることができれば、また少しは楽になれるのかもしれない。
ピルについてちゃんと調べることにした。副作用やリスクなどについての情報も、数年前より研究が進んで更新されていた。統計や医学の知識が少し増えたこともあり、信頼できる情報をある程度スキャンして読めるようになったかなと思う。
正しい知識をちゃんと仕入れて、自分の頭で考えて、最善の選択をしたい。
婦人科の予約を取った自分を、まずは褒めたい。